コラム

今回は矯正治療における保定についてまとめました。

保定とは、歯列矯正治療によって位置異常の歯を移動させた後、すべてのその周囲組織が新しい条件に適応するように構造的及び機能的変化が終了するまで目的とする位置に歯、あるいは顎を保持しておくことを言います。

 

保定は矯正治療のうちの最も大切な最終処置

保定は矯正治療のうちの最も大切な最終処置で、動的治療を第一の治療(primary treatment)というのに対して、第二の治療(secondary treatment)と言われている。

 

この保定の成否が矯正治療の成否ををも決定すると言える。
一般的に自然的保定、機械的保定(永久保定を含む)とに大別される。

 

自然的保定とは

矯正治療により歯並びに顎を移動させた後の新しい咬合状態を自然の力すなわち筋の回復力、咬合関係、歯周組織をもって保持すること。

 

器械的保定とは

自然的保定の条件が不十分である場合、それが充足されるまで器械的装置により保定を行うことを言い、この目的で使用するものが保定装置です。

 

器械的保定の期間は?

器械的保定の期間は、患者様の年齢、不正咬合の種類、不正咬合の原因、動的治療の期間などによって一律に決定することは困難であるが、通常1~2年は必要であるとされています。

移動された歯ならびに顎と、これに加わるすべての力との機能的調和が得られるまで保定をおこなうべきと考えられています。

 

保定装置

歯列矯正の動的治療終了時には、ほとんどの症例において程度の差こそあれ器械的保定を行ってから自然的保定に移行します。
この器械的保定に使用する装置を保定装置と呼びます。

 

保定装置としての所要条件

1)個々の歯の生理的運動を可及的に阻害しないこと
2)成長期の顎骨にあたっては、その成長発育を妨げないこと
3)口腔の機能、すなわち発音、咀嚼などを妨げないこと
4)口腔内を清潔に維持できること
5)審美性に優れていること
6)製作が容易であり、かつ強度があること
7)可撤式の保定装置は、調節および着脱が容易であること

 

早期矯正における保定治療について

早期矯正(1期治療)を終えた後、すべての永久歯の生えるまでの間に一時的な保定治療を行う場合があります。

本格矯正または成人矯正の動的治療後の器械的保定と同様で、期間は患者様の年齢、不正咬合の種類、不正咬合の原因、動的治療の期間などによって一律に決定することは困難ではありますが、最低でも1~2年は必要であると考えます。

 

保定治療中の親知らず抜歯

本格矯正治療においては、保定治療中あるいは保定治療後に親知らずの成長によって予期せぬ歯牙が移動が生じてしまうことがあります。このため、親知らずの抜歯を行っていただくことを推奨しております。

※本格矯正とは若干の潜在成長能が残っている時期に行う矯正治療で成人矯正とは区別して考えられれています。

 

親知らず抜歯のタイミング・・・

親知らず抜歯のタイミングは以下の2つの要件を満たした状況であることが望ましいです。

・16歳以上であること
・保定治療後、1年以上経過していること

 

親知らず抜歯の後にはすぐに保定装置を装着してください!

親知らず抜歯の後には、術後の傷口、腫れや痛みによって装置を装着すると痛みを伴う場合がございます。
その場合には、緊急対応にて保定装置を調整致しますのでかならず72時間以内にご来院ください。

 

★親知らずについてさらに詳しく知りたい方はコチラ

 
 

私たちきらめきデンタルクリニックでは、幼少期から自分自身で自分の歯を守るための正しい知識や定期検診の習慣を身につけられるように、歯が生える前から定期的に歯医者に通っていただくことをお勧めしています。

歯とお口のプロからの視点で、育児本では得られないお口に関する知識やアドバイスをお伝えしています。

これまで10,000人以上の子どものお口を診てきた小児歯科専門だからこそ、お伝えできることがたくさんあります。
何かお困りのことがあればいつでもご相談ください。

 

 

きらめきデンタルクリニック

〒476-0002 愛知県東海市名和町寺徳1-5

■予約

TEL:052-601-1616

WEB:https://kirameki-dental.com/reservation/

 

執筆者

きらめきデンタルクリニック広報  渡辺 加奈江

 

監修者

きらめきデンタルクリニック理事長  竹内 敬輔

【 資格・所属 】

  • 日本矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会、日本小児歯科学会
  • 日本咬合育成研究会、全国小児歯科開業医会、名古屋臨床小児歯科研究会
  • 日本歯科医師会、愛知県歯科医師会、東海市歯科医師会

詳しい経歴はこちら → 理事長 竹内敬輔の紹介

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